先日行われたR-SIC2014に参加してきました。
場所は京大です。ホールが綺麗で素敵でした。席もゆったりしているし、さすが京大。

KJSKとしてはスピーカーや参加者との実力差をふつふつと感じつつ、負けてたまるか(笑)という意気込みでの参加です。いや、嘘です。ものすごく勉強になりました。
招待頂いた安部さんに感謝です。ありがとうございます。

会場の雰囲気とか写真とかは、他のブログにもあるのでそちらをどうぞ(笑)

名古屋でも友人らとシェアする会を開くのもあって、わりとかっちり資料を作りました。
そこから編集したものをアップしておきます。

一応いっておきますが、メモなので間違ったり、こちらの推測もありますので、その点うまいところスルーしてやってください。あとセッションのメモでありながら、自分の突っ込みもあったりとそこはやや読みづらいです。その点もご了承を。


セッション1 “辺境”で生じる教育イノベーションはいつ“中心”に届くのか

スピーカー
カタリバ今村さん 学校に丸投げしない教育を。ジョジョ四部が理想イメージ。街全体が高校生を育てる。
3keys森山さん 児童福祉施設の学習支援。里親、こどもの権利、直接窓口、政策提言。子育てを国、親に丸投げしない。
キャスタリア 山脇さん 教育×IT。教育で社会課題を解決する(日本、世界)。LMS、goccusアプリ。学習コンテンツでなく、学習行動にフォーカス。

モデレーター
e-EducationProject 三輪さん 映像教育、バングラデシュで導入、普通の学校の先生が映像を撮って配信。

・学校に足りてないものは人的リソース。先生は時間が無く、正社員という内製モデルであり、外注化しないため外からの関与も入りづらい。親からの期待と社会からの期待などもあり、期待値が高すぎるため、学校がしんどい。先生もしんどい。
→カタリバ的には、このリソース不足、先生しんどいみたいな部分のケア的な一面もあり。街全体が高校生を育てるならば、学校の先生だけの負担はなくなるように。

・ITへの視点は、アナログ派はカタリバ、3keysに対し、デジタル派はキャスタリア、e-EducationProject。アナログ派はつきあいや面倒くささが大事で、e-Learningも使い方を学ばないと学べない。コミュニティ単位で格差が生じるというのもある、いわゆるデジタルデバイド。デジタル派はITはツールであり、学習をしない人はしないけど、行動、テクノロジーで変えていくことが出来るという視点。山脇さんの「ソーシャルラーニング入門」は面白そう。ITでレバレッジ、既存のやり方で救えない人を救う、例えば65億の世界人口が対象。田舎で家にお金がないとか、不条理を克服する=進歩となる。お金の問題ならばお金をITで削減して受益出来ればいい。

・離島におけるデジタル教育の規制があった。この論点は規制の背景などが様々あり。単純に離島に学校をなくすことになりかねないとか。

・東進ハイスクールの映像スタイルは誰もが学べるかというと、実は東進で成功する受験生は、自己マネジメントが出来るため、勉強ができる。失敗する生徒は、そもそも自分で管理が出来ず勉強習慣も構築出来ない。ITがいくら便利であっても、誰もが使える環境であっても、自己マネジメントが出来ない(例えばやる気ないとか)であれば結果的に成果は出ない。ただ、この視点はITや進歩や使えるツールを提供する意味が無い理由にはならないと思う。が、現状を知るのは大事。

・辺境で生じる教育イノベーションとは、キャスタリアやe-Educationの途上国でのIT導入事例のことであり、それらが例えば日本の義務教育の現場という中心に届くかという話だと思う。これを考える際に、社会が変化するが教育は変化してないというギャップが生じる。

・社会善として、勉強すると何か良いことがあるかということを示す場合、ここに道徳や倫理的な話が出てくる。勉強しても何も良いことがなさそうだとなると、おそらく人は勉強はしない(逆ルールで大人になったら困るということもあるが)。

・人と関わる関係性構築が大事であり、この点は家族の崩壊とも関わりが深い。子供たちが大人に接する時間がないと、規範である社会善とか社会に対する信頼とかそういったモラル的なものが生まれづらい(トレーニングされない、環境がない)。

・兄貴的な存在を作っていくのがカタリバ。

・成功する物語を作り、ITを知ったり起業をしたり、そこから経済的成功でもいいし、それがインセンティブとなって行動するのは良い。

・みんなの学校というニジェールでの取り組みは、住民が学校に関与するというモデルが普通になって動いている。

セッション1の感想
・社会的事業として、単に株式会社またはNPOという形態の枠組みを超えて話がされているのが面白い。会社で非営利事業を行うところはあるし、NPOで事業性の強い取り組みを行う場合、現場を知らない人、とくに批判的な見方が正しく出来ない人にとっては「会社が非営利事業を行うなんて裏があるに違いない」という見方をするし、「NPOが事業性の強い取り組みをすれば、それは会社じゃないか。営利求めてるのか」となってしまう。

・教育といういわば公共性の高い(子育てから、人材育成まで幅広い)ものを色々な立場から、仮説検証して事業化しているのは面白いと思う。例えば、IT普及からスタートすると、結局それらをどう友好的に使ってもらうかということが課題となるし、アナログからいくと、これって効率的じゃないけどどうするといいんだろうというところで、結局事業経験値が高くなると、ある一定のところで歩み寄りみたいな話になっていくと思った。

・R-SICの全体の流れとして、別に流れがあるとかないとかでもないんですが、最初のセッションということでわりと流れが出来る感じでもありと。はじめて参加したので、いわゆるパネルディスカッションなどの眠たくなる感じが全くなく(もちろん興味によるんですが)、実践者がきちっと語っているところが大変好感が持てるというか、いいなあと思いした。



セッション2 オリンピックの機会をいかに社会的課題解決の契機としていくか

スピーカー
ミライロ垣内さん ユニバーサルデザイン、ユニバーサルマナー研修。みんなの文字フォント。
トラベルヘルパー、介護旅行の篠塚さん 介護旅行事業
レアジョブ中村さん 日本人1000万人を英語が話せるように
ラグビーフットボールの中竹さん コーチを指導する、企業幹部育成、学校リーダーなどの養成。能力がなくてもリーダーにはなれる。

モデレーター
文科省の生田さん

・バリアフリー率は日本は十分。ハード面はOK。ソフト的な面が不十分。例えば、障害がある人に声をかけて手伝うなどの躊躇がある。それは無関心か興味のどちらかに分断されてしまっている。そのために、知ることが大事であり、健常者が障害者を学び、障害者は健常者を学ぶことで、そこから対応が出来たりすることが可能。
→ハードを変えなくてもハートは変えられる。

・モビリティーという移動の手助けをするトラベルヘルパー。病院などにNGを食らいながらも、何度もここまでは出来ますということをお客様と動いていき、温泉に入ったりの笑顔が印象的。例えばオリンピックを生で見るというのの手助け需要。

・英語における異文化コミュニケーションは言語スキルとお互いの背景を知るというところが大事。

・スポーツが好きでなく嫌いだといえる環境があってもいい。
・教える側が変わっていかないと人は変われない。コーチをちゃんと教える。中竹さんの経歴は面白く、プレイヤーとして優秀でないのに主将になったり、リーダー育成経験がないのにコーチ指導者になったりという経歴の持ち主。

・世界をみて働く場所を選んでいく
・実際の中で学んだものを体系化していかないといけない

・外国人対応として、旅館の外国語対応を老舗旅館が真っ先にしていたという話。オリンピックは東京だけでなく地方都市や観光都市にも需要が。レガシーとしてオリンピックの施設やハードなものなどを減築したりして使える資産とする

・地方会場での思い出を持ち帰ってもらう。日本韓国共催ワールドカップなどの話。


セッション2の感想
・セッションに2はオリンピックという大きめの話題がふわっとあって、それに対する各スピーカーの見解みたいな感じになっていた。これがいいか悪いかはおいておいて、もうちょっと全体でシェアする感じになったほうが良かったかなあと。
 
・中竹さんは経歴も面白いが、コーチ指導のコーチという仕事をしていて非常に編集的な感じがして面白く感じた。


セッション3 日本の社会的事業が一千億円を扱う日は来るのか

スピーカー
インフィニティ小林さん 投資感が半端ない
ライフイズテック水野さん 若い。元気。早口。投資を受けてる。
SVP東京岡本さん ケアプロへの出資。SVPはそういう出資系組織。
リクルート住まいカンパニー清水さん リクルートの人。

モデレーター
どがさん 20歳に見えない落ち着きと実績。すげー。


・事業とか事業化する前にそもそももっと社会性のある人間になってやっていけば事業とかいらないかもねという小林さんの意見はめっちゃ面白い。社会性がそもそもない人間が多く存在する中で、ゴミを拾うとかエレベーターとかエスカレーターでなく階段を上る方が社会にとって良いならそうすることができたらわりといいんじゃないの。

・ケアプロへの投資は、熱意や社会的ミッションもあるが、やはり共感できるか。これは意外にずれない点

・社会性がありインパクトがありかつ何をするか

・何かをやり遂げるためにそもそもスキルがないと出来ない(例えば起業の前に人脈の前に営業みたいなことであれば、逆算的思考になっていくと思われる)。スキルがない人間が何かをやり遂げたいという時は、そのスキルが後からついてくるか、またはそういうスキルある人を引っ張ってくるスキルが問われる的な。

・個人のパワーが強くなっていく時代にありそれらをエンパワメントする
・年齢ありきの話はもう遅い
・形よりも実際に話すこと(投資を受けるにはこちらからアポとって話していくだけ)
・コミュニティに属すのは一つのソリューションになり得る。その人にとって最適な場にいることとは、会社組織に属すとは意味が異なる。

・最近のITスタートアップや投資先については、資金調達をしてそれらで事業成功をして株式公開という流れで売却益よりも、事業収入からの配当収入インカムゲインが流れ。

・お金は集めようという気がないから集められない。集めようと思えば集められる

セッション3の感想
・ピッチというかスピードが速いトークで、いわゆるアッパーなトークだった。

・内容は面白く、結局お金もっている人はもっていて、それらの投資をどう募るか、やればできるよ的な話で、とくに小林さんが印象深い。

・理屈やロジックの人は正論系になり感情がないのではという誤解を受けやすい。この手の人は実力がしっかりとあるため反論がされにくい。アナログ的な小さな身の丈事業を回す人は感覚派になりやすい。この手の人は共感されやすい。どちらがいいかではないが、自分としてはハイブリッドを目指す方が適切だと感じた。

・ちなみにこの顔ぶれであれば、投資家に英語プレゼンするなら英語話せないと駄目でしょで多分終わるような雰囲気。

・テーマ的には、一千億円扱う日は来るかは不明だが、まあがんばれば来るかもね。

・どがさんのインパクトが強すぎて名前もひらがなになってます。すいません。


セッション4 地域に循環するビジネス

スピーカー
和える矢島さん 伝統工芸ブランド販売、ベビー用品
自然茶農園 伊川さん 若い頃からやって31歳くらいでも農業経験が10年以上。
トラ男武田さん 秋田米づくり。元ゲーム会社勤務。

モデレーター
つむぎやのともひろさん

・一つ一つ大切なものを作っていく。それが例えば伝統工芸であるとか、日本の職人の技術があって成立している。それをなくしたくない。物語を伝える。

・先達の日本人の知恵である農業。米であれば時給128円という低賃金でありながら必須。自然農園でやりたい。

・お米を高く売りたいのではなく、商売の原点としてお米を食べたお客さんがありがとうといってくれることが醍醐味。顔が見えるお客さん。生産者が作った純粋なアキタコマチ(ブレンドしない)を届ける


・全体のスピーカーに共通して、とりあえずやってみて飛び込んでくというところ。ただ、結果的にだが、矢島さんはジャーナリズムやジャーナリストになりたくて、そういった伝統工芸や職人さんにインタビューをしまくった結果その課題に気づいたという点がある。例えば大人たちは教えてくれなかったそれらのすばらしき日本文化を自分は伝えたいのだ、というように。逆にいえば、職人さんと話す機会がなければ生まれなかった事業といえる。ちなみに、これらの商品は当然高め。

・今やれることを淡々とやってきて今ここがある。伊川さんの農業にも共通しているが、武田さんはまず秋田に住む米農家100人にどうですかねーとヒアリングしたそうだ。またスーパーでお米について主婦に聞いて(お米の買い方が分からないので教えて下さいという怪しい立ち回り)ニーズ調査。これらの声を踏まえつつ、やるべきことをやっている。

・非戦略的でパッションや情熱で飛び込んでいくタイプの人々だが、結果的に量を重ねると戦略的なニーズ調査やデータ分析というところになる。つまり、飛び込みが足りなかったりやりたくなければやらないということも同時にいえる。

・武田さんは、2つのアドバイスを提示。1つはすげー得意な部分とか分野とかで、すげー身近な問題であれば続くと思うと。つまり自分の近しい部分で出来ることが継続のポイントとなる。確かに遠い問題や得意でないとかテンション上がらないことは継続がしづらい。また、ストレスになってしまい、面白くないので意義が薄れる。

・ニーズを見つけたりヒアリングしたところで出てきた課題を発見したといって、何かそこで仮説をたて検証しているようにみえるが、実際はこうだと思ったからやったという感じには思える。

・100人インタビューはわりとやる気がないと出来ないし、色々な人から話を聞かないと出来ないかもしれない。

セッション4の感想
・100人インタビューは空き家問題や寄付自販機でもやってみようと思う。インタビューとせずに話すだけでもOK。例えば、懇親会で話すとか、メールで意見交換、またはセミナーやイベントで話すとかでもいいと思う。意見として色々な人からニーズを見つけるのが大事。

・セッション3などと比べると、対極的で、ゆるさや身の丈さがうかがえる。どちらも楽しそうだが、楽しみの種類が異なるように感じられる。無理せず継続できるという意味では、人間、とくに自分自体の理解が出来てないとまずいし、他人の理解もないと共感的な行動が取れない。それらの必須的なことを踏まえた上で、生き方としての振る舞いが事業や社会的事業であれば、それは一概に良い悪いはいえない。ただ、ある種の目的のためにどうかというところでは議論はできる。

・ここでもハイブリッド感でいきたいと思い、ふわっとしているが事業でかっちりしているとか、事業っぽいんだけどゆるゆるしているという緩急をつけた感じが良いように思える。

・自然にやっていく感じは緩さがあるが、目標を立てて動くと緩さが消える。人間の一生から考えれば1つの事業をやりたいのか、複数の事業をそれなりに成功させたいのかという生き方で異なってくる。個人的にはここをつなぐ人が少ない感じはある。

セッション5 地域を変えていく政治のあり方

スピーカー
パブリックマネジメント天米さん 測量系事業、自治体との関係、地方公共業務
豊橋の長坂さん 面白い人が日本一集まる場所にしたい。
BFT平山さん インフラ系コンサルで大手ターゲット、第三セクター兼務
区長水谷さん NHK記者から区長へ、50冊のノート

モデレーター
津田さん

・トップがいなくても地方で回っている
・国と地方の政治の違い
・地方公共のブルーオーシャン感とは、例えば福岡天神ではアンテナショップをつくって物産で売るというのがあるが、商売をやったことない人だからそこのやり方は色々変なことも多い。インパール作戦っぽい特攻的で後先考えないやり方みたいな。

・自治体においては消極的な物事決定をしやすい
・例えばWBSがくめるかどうかみたいな話
・1%ルールとして、まず1%規模で試してみて検証していけばいい

・民間企業などでは予算は自己的でありプロセスも独自のやり方で良い。しかし行政では予算は税金であり、プロセスはルールに則ったやり方で行われる。行政は色々言われる存在となる、公僕という所以なのでそのまま。ただメディアや情報公開のされ方みたいな意味合いでは、行政たたきはやや不公平感はある。

・人口5万人程度の中山間地域で、仕事を減らす提案をしてくれてアウトソーシング出来るようであれば多くの自治体は喜んでやってくれるはず

・自分たちでまちをつくるとか、行政に関心を高めていくとはわりとコストがかかることなので、ここらへんの認識が甘いと色々と出来ないはず


セッション5の感想
・政治というよりも、地方行政的な話がいくつか出ていて面白かった
・やはり行政や自治体の業務は面白いと思う。人によってはめっちゃ面白く無いと思えるだろうけど(笑)

全体への感想
・全セッションにいえるがプレゼンは全員うまい。その上で、どう伝えていくか何を伝えていくか、プレゼンスライドのトラブル(うまくでないとか)とか、登壇者との相性というか空気感もあるし、そういうところを見た時にもっと打って出る必要を感じる。こういうの大事ですな。

・ クロスポイントというプレゼンセッションも面白かった。参加者も投票できたら嬉しいですが、プレゼン自体よりも多分事業性と社会性だったかなでほぼ予想通りの結果でした。とはいえ別に評価とは本質ではないという極論をいえば一つのアピールの場といえそうですね。

・KJSKにとっては、ここでの学びを踏まえると、事業性の確保というか事業にしていく必要性があり、同時に、社会性、とくに寄付とかNPOとかの存在もよりハイブリッドに色々出来るということが当たり前になっていくんだろうと思う。例えば、未だに企業からみればNPOは組織的に危うい感じがするだろうし、とはいえそもそもベンチャーで大手と組めるのはその戦略性や優位性が何かあるからであってみたいなことを考えたりする。一言でいえば強みだが、それを磨いていく必要性を感じる
 
・また来年も参加したいと思います!